次世代必須教養、愛着….!「マンガでわかる愛着障害」

「マンガでわかる愛着障害」を読みました。比較的身近なテーマだと分かっていたけど、初。
この分野、次の時代は必須教養と感じる…。私の場合は身近に思い当たる面々も多々….。

読みやすい漫画とディープなコラム解説のバランスがすごい。

中身は、漫画ということもあり、サラッと書いてあってすごくとっつきやすい。そして対照的に、漫画の合間にあるコラムの内容がディープ。でもすごい読み応えあり。漫画の取っ付きやすさとディープなコラムの往復運動….すごいバランス感覚です。

診断テストのクオリティがすごい。

愛着スタイルは「安定型」と「不安定型」(「不安型」と「回避型」)のざっくり三種類があるという考えが軸で3項目の数値の診断が巻末に。

そして自分も診断テストやってみたら見事に絶妙な数字。これは本を読みながら感じた自分の場合の実感と、かなり近い結果。すごい!!感動。

具体的には、私は安定スコアが1番多かったものの「強い」判定には一歩足りない数値。そして不安定と回避が同じ数値で、「無視し難い要素と言える」と書いてある結果に〜〜!

本によると、不安定と回避が同じくらい強いと新たな「恐れ・回避型」というタイプに進化!(?) 人と距離を取りたいのか親密になりたいのか、ごちゃ混ぜチャンプルー。

自覚として分かる….!

ギリ表向きは問題のないところで生きてる感じ。自覚が相当進みます。この感覚、とても良い。

あの人の謎もどんどん腑に落ちる。

他にも「あの人このタイプだな〜、だからあんな感じだったのか!」と色々な過去の経験が腑に落ちまくるというすごい特典も。どんどん理解が深まりました。あの時知ってたらもう少し寛容な気持ちでいられたかもなぁ、と思うこと多々。

相互理解を深めるのに役立つ、とは読んでみて初めて気がつく視点でした。そういった意味でもやっぱりこの知識は有用ですねぇ…。

愛着の悲喜こもごも。

本には障害を克服していく考え方も簡単にいくつか紹介されています。でも愛着の課題はやはり人との関係性で癒やすしかないのが難しい部分。対象が人間ということは、相手には相手の課題がある場合も多々….。スムーズに必要とするものの交換が出来なかったりするのは、あるあるだと思いますねぇ。

精神的なしんどさ、生きづらさの背景に愛着障害の存在は結構大きいと改めて思いました。

人間誰しも完璧じゃないから、極端な虐待や離別が無くても、ふとした時に傷ついたりしてしまう。

本にもかなり多くの人が大なり小なり抱えている(大人の1/3、カップルや夫婦だと50%、3人いると70%)という風に書いてありました。これも体感としてすごーくわかる。更に私のようなギリやれてる人を含めると、本当に、誰しも多かれ少なかれ色々あるよね、と感じます。

「障害」というと大げなな印象だけど、大なり小なり多くの人が抱えている愛着のスタイルはあって、それが大きな問題として日常に支障を来す時に「障害」として切り取られる、というのも大事な視点かも。

私も極端に支障をきたしてはいないけど、今後より楽に生きられるように、自分の傷を癒していくぞ〜と思いました。より良く生きていくために、知ることで活かせる知識があるんだなぁ。

愛着の未来について思うこと。

一般的に乳幼児期の愛着形成は理解が広がって来ていると感じるけど、その後の成長で出会う人間関係ももっと研究が進むといいなぁとも思いました。

人と人とが信じあい助け合い支え合える心の土台、愛着….。
他の本なども読んでみて、自分なりの学びを深めたいなぁと思いました。こちらの本は入り口として最適!!

 

いやーおすすめです。

 

 

余談:絵や表現、芸術の力

本の中で、絵や文章などで表現すること、芸術の持つ人の心への意味について書かれていたのも、個人的には嬉しかったです。アート表現は普段は道楽のような感じであまり重要視されない印象なのだけど、行う当人にとって、すごく重要な意味を持つことがある話はとても説得力がありました。そしてそれが社会にとっても意義深い存在になるということも。

障害を苦しみの元として捉えるのではなく、何かしらの情熱に昇華していけるという希望は重要な視点だなと思っています。

アートの価値、セラピー的な視点も、もっとこの先の時代に定着していくといいなと思いました。